地域の中に居場所をつくる episode 2
地域の中に居場所をつくる
私たちが、武蔵野・三鷹地域において、地域若者サポートステーション事業(厚生労働省委託事業)を受託し15年、更に「コミュニティベーカリー風のすみか」において、若者たちと活動を始めてから、17年が経過しています。
長きにわたり、若者たちが体験的な学びの活動を行うためにには、いつも地域の方々や事業所のみなさんの協力が不可欠でした。
そして、様々な状況下で孤立した状態で訪れる若者たちにとって、人や地域社会に出会い直す経験と時間は、若者たちが自らを組みかえ、安心して社会に出ていくまでの間、最も大切なことだと考えています。
ここでは、日頃からお世話になっている地域のみなさんや、近隣事業所のみなさんと若者たちの出会いの様子をご紹介していきます。
武蔵野吉祥七福神めぐり
武蔵野エリアでは毎年お正月期間中に、一年の開運を願って武蔵野商工会議所が主催する「武蔵野吉祥七福神めぐり」が行われます。
それぞれ違うご利益を持つ神様がいる寺社仏閣をめぐって、御朱印をもらい、幸福を祈願しするというもので、期間中は寺社を回る特別バスも運行され、武蔵野市・三鷹市にある6寺社7御神体をめぐるこのイベントに、毎年10万人ほどの多くの参拝者が訪れます。
・井の頭弁財天(大盛寺)『弁財天』 【御利益】学問・芸術・財運
・杵築大社『恵比寿神』 【御利益】商売繁盛
・延命寺『毘沙門天』 【御利益】財産福徳・智恵他
『寿老人』 【御利益】諸病平癒・延命長寿
・大法禅寺(大法寺)『福禄寿』 【御利益】子孫繁栄・財産・健康長寿
・武蔵野八幡宮『大國様』 【御利益】五穀豊穣・事業繁栄
・安養寺『布袋尊』 【御利益】福財、慈悲、和合
七福神めぐりの期間中は、延命寺において『甘酒の無料配布』があります。
私たちは、7年前にも一度参加させていただいておりましたが、2020年のお正月から正式に、甘酒配布ボランティアとして参加しています。(2021年は新型コロナによる感染防止のため中止)
若者たちは、7日間のうちで、サポステでプログラムが始まるまでの元旦~5日までの5日間、8時45分~17時まで集まりメンバーとスタッフがシフト制で代わる代わる参加し、甘酒を配ります。
寒い中長時間立ちっぱなしなのも大変ですが、酒粕が沈殿しないように、大きな熱々の鍋をずっとかき回し、焦げ付かないように気を付けていなければなりません。
その中で、参拝者の方々には「無料でお配りしております!甘酒いかがですか?」と、どんどん大きな声を掛け、甘酒を提供していきます。最初は少しだけ度胸も、慣れてくると今度は根気強さも必要になる仕事です。
当初は、お正月から若者たちがどれだけ集まってくれるのか?正直不安もありました。しかし、若者たちに声を掛けてみると、
「楽しそう!参加してみたい」
「お正月って結構暇なんですよね。地域のイベントに参加できるなら是非」
「少しでも地域のお手伝いができるのであれば」
など参加を希望する若者が多く、若者が活躍できる場があることの大切さや、若者たちが地域の人たちに期待をされることに喜びを感じるということについて改めて気づかされました。
【参加した若者たちの感想】
「商工会の尾崎さんに『視界は180度すべてを捉え、目の合った人には声を掛ける』とお聞きし実践してみたところ、非常に成果がありました。男女の関係にも応用できるとのこと。みなさまも是非参考にしてみてはいかがでしょうか」
「寒い中お参りに来たみなさんに、温かい甘酒を一杯渡すだけで、誰からも『有難う』『ご馳走様』と言われる。なんて有難いしごとなんだろうと思った」
「元旦から『有難う』ってこんなに言われるやりがいのある経験ってなかなかないですよね。毎年でもやりたいな」
「慣れない接客が経験できたこと、三が日に働いたということ、商工会の方の温かいご厚意で、お団子や焼き鳥をいただくという嬉しい出来事(大変美味しかったです)など素晴らしい体験をさせていただきました」
2021年、2022年と、コロナ禍で、七福神めぐりは中止となりました。吉祥寺の商工会のみなさんを含め地域の方々、そして七福神めぐりを毎年楽しみにしていた参拝者のみなさんも大変寂しく感じているのではないでしょうか?
そして、実は、延命寺で、甘酒を配布してい若者たちにとっても、大変寂しいお正月となっています。
七福神めぐりが再開した時には、是非、延命寺の甘酒コーナーに立ち寄ってみてください。若者たちが楽しそうに、「甘酒いかがですか?」と声をかけますから。
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