地域の中に居場所をつくる episode1
地域の中に居場所をつくる
私たちが、武蔵野・三鷹地域において、地域若者サポートステーション事業(厚生労働省委託事業)を受託し15年、更に「コミュニティベーカリー風のすみか」において、若者たちと活動を始めてから、17年が経過しています。
長きにわたり、若者たちが体験的な学びの活動を行うためにには、いつも地域の方々や事業所のみなさんの協力が不可欠でした。
そして、様々な状況下で孤立した状態で訪れる若者たちにとって、人や地域社会に出会い直す経験と時間は、若者たちが自らを組みかえ、安心して社会に出ていくまでの間、最も大切なことだと考えています。
ここでは、日頃からお世話になっている地域のみなさんや、近隣事業所のみなさんと若者たちの出会いの様子をご紹介していきます。
三鷹市南銀座商店会 三鷹八幡大社祭り
2018年3月まで、私たちの事業所は、三鷹市下連雀の南銀座商店会の中にありました。
近くには、大きな八幡大神社があり、毎年9月にある三鷹八幡大社祭りは、身体に響き渡る大太鼓と、大きな神輿が二基担がれます。二宮神輿は100人近い人たちが担ぎ、大迫力のお祭りです。
私たちは2014年から、南銀座商店会の一員としてこの例祭に参加してきました。
例祭では、高針持を毎年任せていただいたり、お神輿を担がせていただくだけでなく、若者たちが総出で、しめ縄飾りや、詰所の設営など例祭の事前準備も行います。
当日は、花がけ貼りや、子ども神輿の警備、担ぎ手さんへのおでんや飲み物配り、清掃・ごみ捨てなど、裏方の運営に関わる仕事も、表に出る役割も様々任せてもらっています。
南銀座商店会例祭当日の詰所では、運営の手伝いだけでなく、出店も開き、相模原の農場で積んだ無農薬のブルーベリーを「冷やしブルーベリー」にして売ったり、「缶バッチ屋」を開いて、近所の子どもたちと関わったり。
目まぐるしく忙しい二日間ですが、若者たちにとっても、楽しみなイベントです。
南銀座商店会の人たちは、(商店会長のグラナダの土屋さん、山本酒店の山本さん、チェリークリーニングの福田さん、ヘアサロン・サカモトの坂本さん、クレアタナカの田中さん、はぐら茶屋の倉本さん)みんなちょっと強面だけど、毎年毎年、温かく「ほら!お前らもこっち来て手伝え!」「久しぶりだな!元気だったか!」と若者たちに大きな声を掛けてくれます。
そのことも、この南銀座商店会やこの例祭が若者たちにとって居心地の良い居場所になっている理由だと考えます。
ここに集う若者たちは、いつかはそれぞれの進路に巣立っていきます。
それでも、例祭が開かれると、南銀座商店会の詰所には、毎年OBOGが自然と集まってきます。
コロナ禍となり、例祭自体が、今年も昨年同様中止の予定です。
事業所が移転した後も、南銀座商店会の一員として参加し続けるのは、若者たちにとっても、ここに毎年関わってきたスタッフにとっても、この場所が、地域の中で温かく受け入れてくれる居場所になっているからです。
三鷹八幡大社祭りの再開を心待ちにしています。
0コメント